時空力コンサルタントの千神弥生です。(自己紹介
「オレ、やっぱりツイてるよなー」
夫が朝から言いました。
コロナウィルスの影響で、備蓄をする人が増えたことで、食料品の生産と流通がアップし、夫の職場の物流会社は毎日残業続きですが、
体は疲れていても、精神的にはかなり気楽そうです。
朝起きて、キッチンで自分のお弁当作りのため、お得意のウィンナーをコロコロ転がして丁寧に焼き上げているところに、このセリフでした。
以前、15年間、夫が正社員で働いていた職場で、全国ニュースの大きなトラブルがあり生産ラインが落ちたことがありました。
収入が激減する社員がほとんどの中で、夫はなぜかその直前に違う部署に回されていたので収入は変わらず、ということがありました。
実は、この15年の間にそういった類のことが、3回ほど起きていたんですよね。
そのときは、私が「ラッキーだね」と言っても、夫はその会社で働くのが嫌で仕方なかったので、そんな風には思えないようでした。
ところが、今回のコロナウィルスで、どの職場もこれからどうなるんだろうと不安な中、物流なのでむしろ忙しいという状況になったことで、
「やっぱり、オレはツイてるんだ」と思ったようです。
ちなみに、現在夫は、正社員ではなくてバイトなんです。
それでも、彼にとって今の状況は「ツイてるね!」、なのです。
端から見ると、40才も過ぎてバイトで不安定なこの状況を「ツイてる」と思えないですよね?
でも、夫の心は、これで安定しているのです。
これから先、リストラされる人も増えるだろうし、倒産する会社も出てくると言われていますが、必要以上に恐がることはないと思います。
正社員じゃなくても、バイトでも、楽しく働けますと断言できるからです。
むしろ、手放してしまうと、解放されることや感覚は大きいからです。
というのも、夫は、バイトだからこそ、ホイホイ残業できるそうなんです。
正社員にならないかと声をかけてもらっても、なりたくないそうで、それでも正社員とほぼ同じように働いているという、よく分からない状況にも関わらず、です。笑
「誰からも働くことを強制されておらず、自らの意志で働いている」
この感覚が、この自由感が、どれだけ気楽でストレスフリーかということを物語っているわけです。
正社員だった時には辞める勇気が出ず、安定性にしがみついていました。
けれど、一旦手放すと、この「自由」は、収入には代えがたいものがあるようです。
考えてみれば、働け、働けと、稼げ、稼げと頑張り続ける時代はとっくに終わっていたからこそ、
「ブラック企業」という言葉が登場し、自殺者や過労死が増え続けたのだと思います。
何事も過ぎたるは猶及ばざるが如し、と言われますが、働き方もとっくに転換しないといけなかったところに、
コロナウィルスが強制終了をかけたのかなと思うんです。
うちの夫は、すでに数年前から、その「頑張り続ける」からドロップアウトしているので、今のびのびしています。
これは、どちらが正しいとか間違っているとかではなく、どういう働き方が自分らしくいられるのか? を真剣に考えてから、
ちゃんと自分の意志で働く、ということが大切なんだと思うんです。
夫は、前職で「ツイてる」状況にも関わらずそう思えず、
現職でバイトで収入が下がった状況にも関わらず「ツイてる」と思える……。
今の職場に「ありがとう」と思える……なるほど。
斎藤一人さんという方をご存知でしょうか。
日本一の納税者で、たくさんの本を出されている超有名人です。
一人さんは「ツイてる」とか「ありがとう」を唱え続けると、人生が豊かになると提唱されているので、実践している方はとても多いです。
ただ、「ツイてる」や「ありがとう」を何回も唱えても変わらなかった人は多いと聞きます。
でも、それはちょっと勘違いなんじゃないかと思うんです。
ただ「ツイてる」と言うだけで幸せになれるのではなく、
どんな状況でも「ツイてる」と心底思えるようになることが、その意識のあり方こそが、
斎藤一人さんの言う、真の「豊かさ」や「感謝」なのではないかと思うんです。
そうだとしたら、夫はずいぶん豊かになったもんだなと思います。
数年前、夫の本棚に並んでいるたくさんの一人さんの本を指し、
「今のあなたの意識なら、こんなの読んでも意味ない! 捨てて!」と叫んでいたあの頃が懐かしいです。
「真の豊かさ」を感じるためには、夫には「心の自由」が必要だったようです。
これは、この先の時代を生き抜くためには絶対的に必要なものかもしれません。
いざ、という時に頼れる男。
ずっと私が夫に求めていたものが、まさか、こんなカタチでやってくるとは……。
思えば、私が女性性を深めていくほどに、夫の男性性と自由度が上がっていったように思います。
夫婦の絆を深め、同じ方向にエネルギーを集約させることが、コロナだけじゃなく、あらゆる場面で、
「ツイてるね」「しあわせだね」と思える秘訣かもしれないなと思った朝でした。
夫が、自分自身を強運だと思えるようになるためには、結局は、妻の私自身の在り方がカギだったんだなと今ならよく解ります。